How It Works · Equipment Guide
マシンは
どう動くのか?
おもりと滑車、スプリング、回転ハンドル、丸いバレル。ギャビースタジオの8種類のマシンが、どんなしくみで体を助け、鍛えるのか。さらにメーカーが公開している公式マニュアルと安全ガイドラインまで、わかりやすくまとめました。
BASICS
すべてのマシンは
2つの力で動きます
マシンのしくみを知ると、レッスンがぐっと楽しくなります。ポイントは「おもりと滑車」、そして「スプリング」です。
おもりと滑車:最初から最後まで同じ重さ
滑車にかけたおもりは、地球が引っぱる力、つまり重力で動きます。滑車は力の向きだけを変えるので、ロープを少し引いても大きく引いても、感じる重さはほとんど変わりません。だから動きが最初から最後まで均一でなめらかです。ジャイロトニック®のプーリータワーはこのしくみを使っています。
スプリング:伸びるほど重くなる力
スプリングは伸びるほど強く引き戻します。物理学で「フックの法則(F = kx)」と呼ばれる性質です。そのため、リフォーマーの動く台(キャリッジ)を遠くへ押し出すほどだんだん重くなり、戻るときはスプリングが体を引き寄せます。スプリングは抵抗であると同時に、体を支えるサポートにもなります。
ピラティスのリフォーマーの最初の姿は、今とは違っていました。ジョセフ・ピラティスが1925年に出願し、1927年に取得した米国特許「体操器具(Gymnastic apparatus)」には車輪付きのキャリッジと肩当てがあり、抵抗は滑車のロープに吊るしたおもりで生み出していました。スプリングは代わりに使える方法として記載されていただけです。今日、ピラティスは主にスプリングを、ジャイロトニック®は主におもりと滑車を使っていますから、2つのマシンのルーツは意外と近いのです。
GYROTONIC® 01
プーリータワー・
コンビネーションユニット
ジャイロトニック®本部が「最も広く使われているマシン」と紹介する基本のマシンです。30年以上かけて磨かれてきた設計です。
- タワーおもり付きの滑車装置です。滑車の高さを上・中・下に変えて、腕・脚を引く向きを決めます。高さは約2mです。
- ベンチ寝たり座ったりして運動する台で、高さを調整できます。
- ハンドルユニット前方にある回転ホイールです。ハンドルを握って円を描きながら、背骨を丸めたり伸ばしたりする「アーチ&カール」のような動きを行います。
- ストラップ手や足をかけて、脚を円・らせんを描くように動かします。おもりが脚の重さを支えてくれるので、関節への負担が少なくなります。
なぜなめらかなのでしょう?
本部はこのマシンを「導き(guide)、助け(assist)、挑戦させる(challenge)」マシンだと説明しています。おもりと滑車は、急に始まったり止まったりしない、均一で一定の力を生みます。だから体は途切れることなく円やらせんを描き、リズミカルに動くことができます。関節を押しつけるのではなくスペースを広げる感覚で動くため、痛みのある方や手術後の回復中の方にも、強度を細かく合わせることができます。
上位モデルには、タワーの後ろにスプリングを加えて抵抗を高める構成もあります。座って行う動きが多いため、椅子や車いすに座ったままでも使えるよう高さ・角度を変えられるモデルもあります。
GYROTONIC® 02 · SPECIAL
アーチウェイ Archway
本部が「最も体力的にチャレンジングなスペシャルマシン」と紹介するマシンです。
段々に連なった垂直のはしご状フレームです。高さは約95インチ(約2.4m)で、ジャイロトニック®のマシンの中で最も高いものです。フレームをつかんだり、もたれたりしながら、垂直・水平・斜め、さらに逆さまの姿勢まで、さまざまな方向から筋力とバランスを鍛えます。
フレームに取り付けるプロペラパーツと調整可能なアームを使えば、立ったまま体をひねる回転の動きもできます。床に寝て行っていた動きを立って、ぶら下がって、ひねりながら行えるようにしてくれる点が、ほかのマシンとの違いです。
| サイズ | 長さ79インチ × 幅41インチ × 高さ95インチ(プロペラ使用時は幅48インチ) |
|---|---|
| トレーニング方向 | 垂直・水平・斜め・逆さま |
| おすすめ | 基本のマシンに慣れた方、バランス・全身の筋力をさらに高めたい方 |
GYROTONIC® 03 · SPECIAL
ジャンピング・
ストレッチングボード
関節に衝撃をかけずに「寝たまま走ってジャンプする」マシンです。
レールの上にそれぞれ独立して動く4つのスライドがあります。背骨と骨盤をマシンに預けたまま、手と足をスライドに乗せて水平面でランニングやジャンプを行います。地面を踏むときの衝撃がないので、ひざ・足首への負担が少なくなります。回転するプレートを加えると、足を回す動きもできます。
創始者ジュリオ・ホーヴァスの特許設計によると、各スライドはレールの上を転がり、滑車にかかったスプリングコードがそれぞれ別々に抵抗を生みます。そのため右足と左足、手と足がそれぞれ異なる力で動き、左右のバランスと協調性を養います。レールの傾きも変えられます。
| 姿勢 | ひざ立ち・立位・仰向け・座位 |
|---|---|
| 構成 | 独立スライド4つ、回転プレート(オプション)、プロペラ、プーリータワーを含む |
| サイズ | 組み立て時 96 × 35 × 75インチ・使用スペース 105 × 48インチ |
GYROTONIC® 04 · SPECIAL
レッグエクステンション・
ユニット
脚を伸ばしたときに関節を圧迫しないよう、マシンも一緒に長くなる特別な構造です。
ポイントは、本部が特許として登録しているカム(cam)構造です。脚を伸ばすとマシンもその分だけ長くなるので、股関節とひざが圧迫されないまま動きます。脚を伸ばす運動なのに、関節のすき間が確保されるというわけです。
手と足にストラップをかけ、上半身と下半身、手と足を一緒に使う全身の動きを行います。体の片側と反対側が異なる方向・複数の平面で動き、すべての関節の機能的な筋力と安定性を養うことが目標です。
| 構成 | 手・足用ストラップ、アルミ製ウィングマスター |
|---|---|
| サイズ | 完全に広げたとき 76 × 33 × 27インチ(ウィングマスター使用時は幅72インチ) |
| 指導資格 | レッグエクステンション専用のファンデーションコースを修了したトレーナーのみ指導できます |
股関節・ひざ・足首のリハビリでこのマシンをどう使うかについて、決まった公式プログラムは公開されていません。ギャビースタジオでは、カウンセリングと動作評価のあと、体の状態に合わせて使用の可否と強度を決めます。
PILATES 01
リフォーマー Reformer
ピラティスを代表するマシンです。メーカーのマニュアルでは「ピラティス・ユニバーサル・リフォーマー」とも呼ばれます。
- キャリッジ車輪の付いた動く台です。この上に寝たり、座ったり、ひざをついたりします。
- スプリングキャリッジとフレームをつなぎます。何本を、どの強さでかけるかによって強度が変わります。
- フットバー足や手で押すバーです。高さを何段階にも調整でき、完全に下ろすこともできます。
- ロープ・ストラップ滑車を通してキャリッジとつながっています。手や足をかけて引きます。
- ヘッドレスト・肩当て首と肩を支え、キャリッジの上で体がすべらないようにします。
- スプリングバースプリングをかける位置で、身長に合わせてキャリッジの位置とスプリングの初期張力を調整します。
スプリングが生む3つの効果
① 遠くへ行くほど重くなります。フックの法則により、キャリッジを遠くへ押すほど力が必要になります。同じ動きの中でも、区間ごとに強度が自然に変わります。
② 戻るときも運動です。スプリングがキャリッジを引き戻す間、筋肉は伸びながらその力に耐え、ゆっくり戻ってきます。だからピラティスでは「押すときと同じくらい、戻るときもゆっくり」を大切にします。
③ 軽いからといって簡単なわけではありません。マニュアルにもあるように、スプリングを外して軽くすると、かえってキャリッジが揺れて体で支えなければならない動きがあります。スプリングは抵抗であり、支えでもあるからです。
スプリングの色は何を意味するの?
| 黄 | とても軽い |
|---|---|
| 青 | 軽い |
| 赤 | 中程度 |
| 緑 | 重い |
米国バランスドボディ(Balanced Body)社のリフォーマーの場合です。色と強さはメーカーによって異なります。
リフォーマーで足でフットバーを押す「フットワーク」は、足を固定したまま脚を押し出すクローズド・キネティック・チェーン運動です。ジムのレッグプレスに似ていますが、寝た姿勢で行うため腰やひざの負担を減らしながら脚の筋力を鍛えられ、リハビリでよく使われます。
PILATES 02
キャデラック Cadillac
「トラピーズテーブル」とも呼ばれる、金属フレームで囲まれたベッドのような形のマシンです。
クッションのきいたテーブルの上を、金属の支柱フレームが屋根のように囲んでいます。フレームのあちこちにあるフックにスプリングを低く・中くらい・高く・頭上にかけられるので、同じ動きでも引っぱる向きを自由に変えられます。寝たまま運動できるので、体力が落ちている方やリハビリ初期の方、ストレッチに特に向いています。
- プッシュスルーバーちょうつがいで動くバーです。上下からスプリングをかけて押したり引いたりします。回転軸の高さを3段階に変えられます。
- ロールダウンバースプリング付きのバーを握り、背骨を一つずつ丸めながら下ろしていく動きを助けます。
- トラピーズ天井フレームに吊るしたブランコです。ぶら下がったり、体を持ち上げたりする動きに使います。
- スプリング・ファジー腕・脚用の短いスプリングと長いスプリングがあり、足首・手首にかける柔らかいループ(ファジー)を使います。
「第一次世界大戦の収容所の病院ベッドにスプリングを取り付けて患者を運動させたのが、キャデラックの始まり」という話は有名ですが、記録で確認されていない伝説です。「キャデラック」という名前の由来も、言い伝えとしてのみ伝わっています。詳しくはリハビリの物語 第5章をご覧ください。
PILATES 03
チェア Chair
小さな箱のような見た目ですが、ピラティスのマシンの中で最もバランスを取るのが難しいマシンとされています。
座面の下にスプリングで支えられたペダルが付いています。手や足でペダルを押し下げ、スプリングの力に耐えながらゆっくり戻します。座面が狭くペダルが動くため、体が自分で重心を保たなければなりません。そのため下半身の筋力とともに、バランス感覚や体幹の安定性を養うのに適しています。
ジョセフ・ピラティスは1931年に「椅子(Chair)」という名称で特許を出願し、1934年に取得しました。特許の中のマシンは、ふだんは椅子として使い、ひっくり返すと運動器具になる形で、スプリングは傾く座面にかけられていました。狭いニューヨークのアパートに置く「家庭用リフォーマー」だったという話は業界で広く伝わっていますが、一次資料で確認されたものではありません。
PILATES 04
ラダーバレル Ladder Barrel
スプリングを使わず、「丸いバレル」と「はしご」、そして自分の体重で運動します。
半円形の丸いバレルとはしごが一体になっています。バレルの曲面に背中を当てて後ろに反らしたり、お腹を当てて体を伸ばしたり、横向きに寝て体幹を伸ばしたりします。背骨を前に曲げる(屈曲)・後ろに反らす(伸展)動きや深いストレッチに向いていて、こわばった背中や姿勢改善によく使われます。
はしごとバレルの距離は、脚の長さに合わせて調整します。バランスドボディの製品では、足で踏むレバーを踏むとバレルが土台の上をスライドし、表示された10段階(約25cm)のいずれかで固定されます。下の足かけに足を引っかけて、体を安定して固定します。
SAFETY
メーカーが推奨する
安全ガイドライン
ピラティスマシンのメーカー、バランスドボディが公開している安全・メンテナンスマニュアルの要点をわかりやすくまとめました。マシンは必ずインストラクターの指導のもとでご使用ください。
- スプリングの交換少なくとも2年ごと、グループレッスン用は1年ごとに、すべてのスプリングを交換します。
- スプリングの点検コイルの間が開いたり、折れ曲がったり、さびたりしていたら、すぐに使用を中止します。フックも毎月確認します。
- 跳ね返り禁止スプリングやペダルが「バン」と跳ね返らないよう、常にゆっくりコントロールしながら戻ります。
- リフォーマー使用前フットバーがしっかり固定されているか、ロープが正しく通っているかを確認します。ロープがたるんだり、キャリッジが端にぶつかったりしてはいけません。
- リフォーマーの保管使わないときもスプリングを2本以上かけて、キャリッジが勝手に動かないようにします。
- キャデラックのプッシュスルーバー下からスプリングをかける動きでは、安全ストラップをかけてバーが落ちないようにし、インストラクターがバーに手を添えて補助します。
- ロープ・ストラップ3か月ごとに確認し、芯が見えたり平たくつぶれたりしたロープ、ほつれたストラップはすぐに交換します。
- ボルト・レール毎月ボルトを締め直し、レールはスプリングを外した状態で中性洗剤で拭きます。滑車にはドライシリコンのみを使い、油は使いません。
ジャイロトニック®のマシンは、本部の認定トレーニングを修了したインストラクターのみが購入・指導できます。各スペシャルマシンも、専用のファンデーションコースを別途修了しなければ指導できません。ジャイロトニック®本部の操作マニュアルは一般公開されていないため、必要な場合は本部(info@gyrotonic.com)または各地域の代理店に問い合わせる必要があります。
MANUALS
公式マニュアル・資料
メーカーが公開している原文資料にリンクしています。(英語・外部サイト)
ピラティスマシンのマニュアル(Balanced Body)
- PDFリフォーマー使用安全ガイドReformer Usage Safety Guide
- PDFスタジオリフォーマー・タワー 完全取扱説明書Studio Reformer with Tower Complete User Guide
- PDFキャデラック(トラピーズテーブル)完全取扱説明書Trapeze Table Complete User Guide
- PDFマシンの組み立て・メンテナンス・安全ガイドSafety First: Equipment Assembly & Maintenance
- WEBバランスドボディ マニュアル集・安全FAQほかのリフォーマー・キャデラックのモデルの説明書を含む
- WEBラダーバレル製品情報取扱説明書は製品に同梱
ジャイロトニック® 公式マシンページ
- WEBプーリータワー・コンビネーションユニットgyrotonic.com
- WEBアーチウェイgyrotonic.com
- WEBジャンピング・ストレッチングボードgyrotonic.com
- WEBレッグエクステンション・ユニットgyrotonic.com
オリジナルの設計図(特許原文)
- 特許ジョセフ・ピラティス「体操器具」(1927)・リフォーマーの原型US1621477
- 特許ジョセフ・ピラティス「椅子」(1934)・チェアの原型US1969901
- 特許ジュリオ・ホーヴァスの運動器具(1986年出願)・ハンドルユニットの原型US4850586
- 特許ジュリオ・ホーヴァスのジャンピング・ストレッチングボード設計US7384384
ギャビースタジオのピラティスマシンのメーカーは上記資料のメーカーと異なる場合があり、上記資料は同じ種類のマシンの代表的な公式マニュアルです。このページはマシンへの理解を深めるための一般的な情報であり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。
GABBY STUDIO
しくみを知るインストラクターが
マシンを選びます
同じ動きでも、おもりを使うかスプリングを使うか、滑車をどの高さにかけるかによって、体が受ける力はまったく変わります。ギャビースタジオでは、カウンセリングと動作評価のあと、今のあなたの体に最も合うマシンと強度を選びます。
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